夫が長年使っていた茶碗の縁が欠けていることに気づきました。
口に当たったら危ないな、と思い
「これ、欠けてて危ないから捨てるよ~」
と声をかけると、夫はあっさり
「お〜、分かった」
と答えました。
本人も納得しているし、これはもう役目を終えたのだろうと、
台所にある“燃えないゴミの一時置き”に入れました。
ところが翌日。
夫が別の燃えないゴミを捨てようとしたとき、
前日に捨てたその茶碗が目に入ったみたいで…
「なんだか、少し悲しい気持ちになった。
長年使っていたし、愛着があったしな…」
その言葉を聞いて、
「ああ、しまった…」
と胸の奥が少しチクッとしました。
捨てることには納得していたはずなのに、
実物を目にしたことで、気持ちが動いた。
ほんの一瞬の出来事ですが、人の感情はとても正直だなと感じました。
ライフオーガナイザーとして学んできた中で、
「人は、モノを手に取ったり、目にしたりすると、
理屈よりも感情に引っ張られることがある」
という話を思い出しました。
今回もまさにそれ。
“手放すと決めたこと”と
“気持ちの整理がついていること”は、
必ずしも同時ではなかったのだと思います。
その後、
「来年、有田陶器市に行って、気に入った茶碗を探してみたら?」
と何気なく言ってみたところ、
夫は
「おお、それいいな。そうするわ」
と、意外なほどあっさり。
さっきまでのしんみりはどこへやら、
なんだか楽しそうです。
人間って、単純なのか、繊細なのか。
その微妙なラインを行ったり来たりしている生きものだな、と
思わず笑ってしまいました。

今回の出来事は、
「捨ててしまって悪かった」という後悔というより、
モノに対する愛着や気持ちの存在に、あらためて気づかせてもらいました。
片づけや手放しは、
モノの問題であると同時に、気持ちの整理でもある。
そんな当たり前だけれど大切なことを、
欠けた一つの茶碗から教えてもらった気がしています。片づけkankan
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