義母とのオーガナイズ
三年前に他界した義母とオーガナイズ(片づけ作業)をしたときのことです。オーガナイズをしたのは義母の自室です。
この部屋のオーガナイズにこぎつけたことは、私にとって大きな前進を意味していました。というのも、ライフオーガナイズに出会い学び始めた頃、義母は私の活動を怪訝そうに見ていたからです。「何か怪しげなことを始めたのでは?」と(笑)。
片づけに対する価値観の違い
私が義母にうまく説明できなかったこともありますが、そもそも義母は片づけ作業に対して対価を支払うことに批判的でした。「片づけは人に頼むものではないし、女性なら片づけくらいできて当たり前」と言われたこともあり、私はもともと片づけが苦手だったため、その言葉に心が痛みました。
ですが、簡単にあきらめるのは嫌だったので、言葉ではなく行動で理解してもらおうと、家の中をコツコツとオーガナイズし続けました。そのうち、その姿勢が功を奏したのか、義母のほうから「書類や衣類の片づけを手伝ってほしい」と言われるようになりました。
義母のペースに合わせ、分類ごとに少しずつ進めていくことで、回数を重ねるたびに取捨選択もスムーズにできるようになりました。
家族の何気ない言葉が影響を与える
ところがある日、夫が義母の部屋に入ってくるなり、「まだこれしか進んでいないのか?」と言ったかと思うと、「こんなもの、もういらないだろう。捨てるものをさっさと捨てないから片づかないんだ」と矢継ぎ早に言い放ったのです。
半分冗談のつもりだったのかもしれませんが、その言葉に腹を立てた義母は、途端に片づける気を失い、手を止めてしまいました。そして、「夫が家にいるときは片づけをしたくない」と言い、その後しばらくは私が声をかけても、なかなか乗り気になりませんでした。
実は、このようなことはよくある話です。家族だからこそ遠慮なくズケズケとものを言ってしまったり、自分の価値観を押し付けてしまったりすることがあるのです。
どんなに不要に見えるものでも、持ち主にとってはとても大切なものということが多々あります。
片づけは単に物を減らすことではなく、その人の気持ちに寄り添いながら進めていくものだと、改めて感じた出来事でした。
言葉の配慮が大切
何気ない「言葉かけ」が相手を傷つけてしまう場合があります。特に片づけのように、個人の思い入れや価値観が関わる作業では、言葉の選び方が重要です。
例えば、「こんなもの、もう捨てたら?」ではなく、「これはまだ大切にしたい?」と問いかけることで、相手の気持ちを尊重しながら判断を促すことができます。
また、「まだ終わらないの?」とプレッシャーをかけるのではなく、「どんなふうに進めているの?」と関心を持って尋ねることで、相手のやる気を削がずに寄り添うことができます。
片づけは、単なる作業ではなく、気持ちを整理するプロセスでもあります。だからこそ、相手の気持ちを尊重しながら、温かい言葉で支えることが大切なのではないでしょうか。
あきらめなかった先に
幸い、しばらく時間がたつと、義母は夫のことを気にすることなくオーガナイズを進めることができました。そして、「この仕事は、大切な仕事だね」と言ってくれたのです。
あきらめなくてよかった——本当に嬉しく思いました。
片づけkankan
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