佐賀のライフオーガナイザー梅野真由美です。
「高齢の母との奮戦記」シリーズ最終話です。 序章はこちら1話はこちら2話はこちら
福岡で姉との新生活が始まった母。
一番最初に取りかかったのは、所沢から送った段ボール10箱の開梱作業でした。やっとわかってきた「置けない」理由
姉の話によると、母は疲れない程度に少しずつ荷物の分類作業を進めていたそうです。
そしてその中で、私たちが何度も口にしてきた「入らない」「置けない」の意味が、ようやく母の中に落ちてきたようだと。
意地悪で言っていたわけじゃない。
本当に置く場所がないし、無理に置こうとすれば乱雑になって取り出しにくく、戻しにくくなる。
しまい込めば、何がどこにあるかがわからなくなる——
母自身がそれを少しずつ実感してくれたのかもしれません。
「この部屋で安心・安全に暮らすには、今本当に必要なものを選び取らなければならない」
そんなことが、じわじわと母の中に落とし込まれていったようでした。引越しまでの怒涛の5ヶ月を振り返って
誰しも日々の暮らしの中で、先のことをしっかり準備するのって難しいですよね。
目の前のことで手いっぱいだったり、考えるのが億劫で、つい後回しにしてしまいがちです。
私たち姉妹も、母のことが気になりながらも、どこかで「まだ大丈夫」と思っていた節がありました。
でもそれが、本当に危ういことだったと今回の経験で思い知りました。
親の介護や実家の片づけ問題は、誰の身にもいつか必ず起こるもの。
だからこそ、早くから情報を集め、少しずつでも備えておくこと。
そして可能であれば、プロの手を借りることも選択肢に入れてほしい——
そんなふうに強く感じました。やれるだけのことは、やったから
もっと早くにできたこともあったかもしれない。
後悔がまったくないわけではありません。
でも、母が自分の足で歩き、自分の言葉で主張し、
時には憎まれ口をたたきながらも福岡に移り住めたことは、心から良かったと思っています。
慣れない土地での生活を強いることには、正直いまでも少し罪悪感があります。
でも、それを姉と力を合わせてサポートしながら、
「ここに来てよかった」と少しでも思ってもらえるよう、これからも寄り添っていきたいです。ライフオーガナイザーである私が感じたこと
今回のことを、もし私がライフオーガナイズを学んでいなかったら——
きっと、母にも姉にももっと感情的にぶつかっていたと思います。
人には人の数だけの「片づけの形」がある。
片づけとは、モノだけじゃない。思考も、感情も、価値観もすべて関わってくる。
一つの型にはめようとするのではなく、その人自身のペースや想いに寄り添うこと。
そんなことを学んでいたからこそ、
私は「人が主役」という考え方を大切に、冷静に関わることができたのだと思います。
これからも、ゆるやかに“整えて”いけたら
母との暮らしは、これからが本番です。
新しい環境、新しいリズムの中で、またいろんなことが起こるでしょう。
でも、今までのように慌ただしくではなく、
ゆるやかに、母にとって心地いい形で整えていけたらなと思っています。最後に、読んでくださった皆さまへ
このブログを読んでくださった方の中には、
「うちもそろそろ親のこと、考えなきゃな…」と思っている方も多いかもしれません。
正直、うまくいかないことのほうが多かったです。
でも、最後に残った気持ちは「やってよかった」。
片づけも、引越しも、暮らしも、正解なんてなくていい。
「成功より成長を意識して」
そんな想いが、どこかで誰かの背中をそっと押せたら嬉しいです。
以上で、88歳の母と“実家の片づけ”奮戦記は一区切りです。
読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。
片づけkankan
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